2014年2月16日日曜日

この道であってる? 1



今年の1月31日に起きた出来事を、何回かに分けてお話したいと思います。

その前日の30日のことです。わたしの友達でありクラスメートであるCamrieが「春香、明日Lisaとハイキングに行くけど、行きたい?」と誘ってくれたので、わたしは軽い気持ちで「行きたい!」と答えました。わたしたちは3人とも理学療法士になるための勉強をしており、その金曜日(31日)は学校がお休みでした。Lisaの友達のKalebがちょうど軍隊からお休みで帰ってきていて、「Kalebはこのハイキングを始めから終わりまで走りとおしたいって言っているから、かなりきついハイキングになることを覚悟しておいてね。それでも本当に来たかったら来てね」と言われました。わたしは何を考えていたのか「まあ大丈夫だろう」という変な自信を持っており、どこに行くのかも知らずにハイキングに行くことにしました。

その日は朝5時出発でした。わたしはCamrieのアパートに行き、LisaKalebを待っていました。Lisaが携帯で「Kalebがうちに来るはずなんだけど、連絡がつかないから5時半まで待ってみよう」とメールしてきました。電話をかけても、そのままボイスメールになってしまうようでした。「寝過ごしたのかな」とか「携帯の充電が夜中に切れちゃって、目覚ましが鳴らなかったのかな」とか色々考えていたのですが、結局つながらず、3人でハイキングに行くことにしました。CamrieとわたしはLisaを待っている間、これからハイキングに行くところの写真をパソコンで見てみることにしました。するとその山の頂上付近には雪が積もっており、「え~?そんなに寒いところなの?」などと話していました。後になって振り返ってみると、彼女たちが言っていた「ハイキング」はわたしにとっての「本格的な登山」でした。これから登る山はMt. BaldyもしくはSan Antonioという名前で、標高は1,0064 ft、約3067 mということが分かりました。それから、頂上に行く手前にはDevil’s Backbone(直訳すると「悪魔の背骨」)という道があるということも分かりました。しかしわたしたちは、Lisaが前にもこの山を登ったことがあって、道をよく知っているから大丈夫だろうと思っていました。

さてわたしたちはLisaの運転する車に乗ってMt.Baldyに向かいました。途中で携帯の電波が悪くなったりしたのですが、Kalebと電話がつながり「今起きたけどすぐ行くから先に登ってて」と言われました。彼は山を駆け上り下りしたいと言っていた張本人だったので、わたしたち3人が先に歩き始めてもきっと追いつけるだろうと想定していました。曲がりくねった山道をドライブしてしばらくすると、まだ夜明け前で暗かったのですが、一台の車がライトをつけて反対向きに止まっているのが見えました。「あれ?何かおかしいな」と思い、Lisaが速度を落としました。すると女の人が手を大きく振りながらわたしたちに向かって走ってきました!どうしたのかと聞いてみると、「山の上の方から下って来たんだけど、道路に落ちていた大きな岩が見えなくてぶつかってしまった。車からオイルが漏れていたので、このまま運転し続けるのは危ないと思い、消防署の前に止まったけど誰もいなくて、携帯も電池切れで困っていた。」と説明してくれました。彼女の車を見てみると、前のパーツがはがれて確かにオイルも漏れていました。まず、彼女の携帯をLisaの車につなげて充電することにしました。その間お話をしていると、その女の人はジェネッサと言い、彼女は友達の家から職場に行く途中だったということが分かりました。彼女が岩にぶつかったのは15分ほど前の話でした。ジェネッサが「頭のおかしい女の人がいるって思った?」と聞いてきました。暗い所に一人でいて、携帯もつながらなかったので、怖くて気が動転していたのだと言いました。もしわたしが同じ状況に遭ったら、それはもちろんパニック状態になっていただろうと思います。彼女の電話がすこし充電できたところで電話をかけてみたのですが、電波が悪くてつながりません。そこでジェネッサは「もう仕事に行かないといけないし、車もまだ一応走れるからこのまま山を下っていこうと思う」と言ったのですが、車のダメージがあまりにもひどく見えたので、「あなたを電波の届くところまで連れて行くので、そこでトリプルエー(ロードサービスの会社)に電話してみたらどうですか?」とわたしたちは言いました。ジェネッサが「じゃあ、そうしてみるわ」と言ったので、わたしたちはジェネッサを乗せて山を少し下り、トリプルエーに電話しました。牽引してくれるよう頼んで、30分ぐらいでトリプルエーの人たちが来てくれることになりました。ジェネッサが「あなたたちのハイキングを台無しにしたくないわ。わたしはもう大丈夫だから行って。」と言ったので、わたしたちも「それではお気をつけて」と彼女を車のもとで降ろし、また目的地へ向かいました。「ジェネッサはどういう岩にぶつかったんだろうね」と話していると、大きな岩がごろごろと路上に落ちているところに来ました。もうそのころには明るくなってきていたので、わたしたちは徐行しながらその岩を避けて進むことができました。「まったく、今日は朝から変なことが立て続けに起こるね!でもKalebが起きなくて30分アパートで待っていたから、こうやってジェネッサに会えたんだね。きっと神様がジェネッサに会わせるためにこうなさったんだね。」とCamrieは言いました。しかし、わたしたちの冒険はまだ始まったばかりでした。

この一日を振り返ってみると、まだお話していないことも含めて、わたしたちの計画どおりにいったことは何一つありませんでした。そこでこの聖句が思い浮かびました。

「わたしの思いは、あなたたちの思いと異なり
わたしの道はあなたたちの道と異なると主は言われる。
天が地を高く越えているように
わたしの道は、あなたたちの道を
わたしの思いはあなたたちの思いを、高く越えている。」イザヤ書55:8-9


まずわたしたちは4人で山を登るはずでしたが、Kalebが寝過ごしたために30分出発を遅らせました。そして途中でジェネッサに出会いました。もし彼女に会わなかったら、岩が落ちていたことも知らずに普通のスピードで走り、きっとわたしたちも岩にぶつかっていたことでしょう。しかしジェネッサに会って、岩が落ちていたことを知り、また日が昇ってきたことで、わたしたちは岩をはっきり見分けて無事に通過することができました。また、この暗闇に注目してみると、おもしろい教訓が得られます。わたしたちの人生が道路だとします。そこにごろごろと落ちていた岩は、サタンがわたしたちに仕掛けた罠です。もしライトをつけずに走っていたら、岩が見えずにぶつかってしまいます。それはサタンの罠にひっかかってしまうということです。サタンの罠をさけるためにはライト、光が必要です。その光とは何でしょう?「あなたの御言葉は、わたしの道の光 わたしの歩みを照らす灯。」と詩篇119編105節には書いてあります。神様の御言葉がわたしたちの道を照らす光なのです。ところが、もし光をつけていたとしても、スピードを出しすぎたらすぐにハンドルをきれないかもしれません。わたしたちの人生はとても忙しいです。学校、試験、行事、仕事、家族、子育て、看病、さまざまなものがわたしたちの人生を加速させています。サタンの罠にかからないためにも、光である神様の御言葉を学び、人生の速度を落として神様との時間をつくっていきましょう。(続く)






著者:森春香
編集:品末拓真

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