2012年6月24日日曜日

紙とペンの実験


「紙とペンの実験」

「苦汁と欠乏の中で貧しくさすらったときのことを決して忘れず、覚えているからこそわたしの魂は沈み込んでいても再び心を励まし、なお待ち望む。」 哀歌3:19

ソーシャルワークのクラスをとっている友達が教えてくれた実験を紹介します。みなさんも一緒にやってみてください。

2枚の白い紙と2色の油性ペンを準備してください。

1.1枚の紙の表に、一色のペンで、自分の性格や特徴を表す言葉をできるだけ多く書いてください。(例:几帳面、せっかち、イライラしやすい、我慢強いなど)
2.その紙を裏返し、そこに自分が苦しい時や悲しい時に感じること、すること、自分に対して出てくる思いを表す言葉を、さっきとは違う色のペンで書いてください。(例:不安、さびしい、自分を責める、他人に怒りを感じる など)
3.その紙をくちゃくちゃに丸めてください。
4.その紙を広げてしわをのばして、元の白い紙のようにしてみてください。

さて、このくちゃくちゃになった1枚目の紙と、何もしていない2枚目の紙を見比べてみます。1枚目の紙を見てください。自分の性格や特徴を表す言葉が書かれた面を表に掲げてみます。何が見えますか?裏に書かれた自分が苦しいとき、悲しいときに感じることやすること、自分に対してでてくる思いを表す言葉がにじみ出ています。次にその紙を裏返してみます。何が見えますか?表に書かれた自分の性格や特徴を表す言葉がにじみでています。

この実験は、人が悲しみや困難を味わった時にどうなるかということを教えてくれます。1枚目の紙がもはや2枚目の真っ白の紙と同じではないように、悲しみや困難を体験した人は、その出来事の前と同じではありません。裏に書かれた文字が表ににじみでたように、自分の性格や特徴に悲しみや困難の経験が何らかの形で影響します。

2枚の紙を机の上に置いてみると、1枚目の紙は2枚目の平らな紙に比べて深みがあります。悲しみを味わった人の心には深みがあります。2枚の紙の端を持って揺らしてみてください。1枚目のくちゃくちゃになった紙にはしなやかさがありますが、2枚目の紙はピラピラと音をたてるほどの固さがあります。これは苦難を経験した人には柔軟性があることを示しています。

この紙とペンの実験から学べることはたくさんあります。しかし、その中で今もっとも注目したいのは、わたしたちが苦難の中にある時にわたしたちはどう変えられるか、そしてどうやって苦難の中にあっても希望を見つけられるかということです。わたしたちには生きている中で必ず苦難がやって来ます。心は傷つき、深い穴のどん底にいるような、辛くて悲しい思いをすることも多々あるはずです。ヘブライ人への手紙12章5節には「わが子よ、主の鍛錬をかろんじてはいけない。主から懲らしめられても、力を落としてはいけない。なぜなら、主は愛する者を鍛え、子として受け入れる者を皆、鞭打たれるからである。あなたがたは、これを鍛錬として忍耐しなさい。神は、あなたがたを子として取り扱っておられます。いったい、父から鍛えられない子があるでしょうか。」とあります。

       わたしたちが悲しみ苦しむことを神様は望んでおられません。悪いことをしたから神様から天罰が下ったと考える人がいますが、テサロニケの信徒への手紙一5章9節には「神は、わたしたちを怒りに定められたのではなく、わたしたちの主イエス・キリストによる救いをあずからせるように定められたのです。」と書いてあります。

神様は苦難を使ってわたしたちを鍛えようとしておられます。苦難を味わう時にわたしたちは鍛えられ、以前よりも柔軟で深い心の持ち主になります。そして、イエス様が再びこの地球に私たちを迎えに来てくださる時まで起こり続ける困難の中にあっても、哀歌3章5節がいうように、私たちは「苦汁と欠乏の中で貧しくさすらったときのことを決して忘れず、覚えているからこそわたしの魂は沈み込んでいても再び心を励まし、なお待ち望む」ことができるのです。

イエス様の再臨を待ち望みつつも苦難に打ち負かされそうになる時、わたしたちはひとつ覚えておくべきことがあると思います。1枚目の紙を裏から見たとき、自分が苦しい時に感じることやすること、自分に対する感情が見えました。しかし、表に書かれた自分の性格や特徴もにじみ出ており、見えました。つまり、苦難が私たちの性格や特徴に影響するように、私たちの性格や特徴も苦難に影響するということです。もしそうだとすれば、みなさんはどんな性格や特徴を日々築きあげ、磨いておきたいでしょうか?もしわたしたちが日々イエス様を見上げて、イエス様の性質に似せられていくのなら、わたしたちは例え苦難の中にあっても再び心を励まし、イエス様を待ち望み続けることができると思います。イエス様がどのようにこの地球で人を愛し、そして愛され、誘惑に負けずに過ごし、わたしたちの罪のために十字架にかかって死なれたことを、毎日考えてみてください。わたしたちと同じように苦しまれたイエス様は、わたしたちがいま感じている悲しみや辛さをよく分かっておられます。そして、イエス様はわたしたちを助けたいと願っておられます。イエス様に助けを求め、完ぺきな模範として見つめつつ、毎日を歩んでいきたいです。

著者:森春香
編集者:品末拓真


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