2012年12月2日日曜日

怒りの対処法


 みなさんはどうしようもないほど怒ってしまったとき、その煮えたぎるような感情をどう対処していますか?聖書の詩編59編には、ダビデがサウルから逃れようとしているときにダビデが書いた詩が記録されています。正しいことをしようとしているダビデを殺そうと追ってくるサウルに対して、怒りを覚えるダビデの感情が書き表されています。この詩から学べる怒りの対処法には5つのステップがあります。

1. 神様に助けを求める。
2. 神様に状況を説明する。
3. 怒りの感情を正直に神様に打ち明け、手放す。 
4. 賛美する。
5. その経験から何を学んだか考え、成長する。


1. 神様に助けを求める
 「わたしの神よ、わたしを敵から助け出し 立ち向かう者からはるかに高く置いてください。悪を行う者から助け出し 流血の罪を犯すの者から救ってください。」(詩編59:2-3)。ダビデは敵、又は悪を行う者から助け出されることをまず神様に求めています。

2.神様に状況を説明する。
 「御覧ください、主よ 力ある者がわたしの命をねらって待ち伏せし 争いを仕掛けて来ます。罪もなく過ちもなく 悪事をはたらいたこともないわたしを 打ち破ろうとして身構えています。」(詩編59:4-5)。ここでダビデは、自分の善い行いにもかかわらずサウルが襲ってくるという状況を神様に話しています。神様は全知全能なので、ダビデが状況を説明する前からすべてのことをご存知でした。ではなぜ彼は祈ったのでしょうか?お祈りは、神様とのコミュニケーションのためにあります。コミュニケーション無しで誰かと関係を築く事はできません。人間が神様との関係を築くために、祈りは必須なのです。それと同時に、祈ることによってむしろわたしたち自身が状況を明確に把握することができます。

3. 怒りの感情を正直に神様に打ち明け、手放す。
 「(6)あなたは主、万軍の神、イスラエルの神。目を覚まし、国々を罰してください。悪を行う者、欺く者を容赦しないでください。(14)御怒りによって彼らを絶やし 絶やして、ひとりも残さないでください。」(詩編59:6,14)ダビデはこのように怒りの感情を神様にぶちまけました。怒りを抑えつけるのは体にもよくありません。しかし、何にでもあたりかまわず怒りをぶつけていると、周りの人や物を傷つけてしまいます。また、自分の怒りを受け止めきれない人に矛先を向けてしまうと、今度はその人が耐えられないでしょう。ではどの様にして怒りを発散するべきなのでしょうか?わたしたちの怒りを受け止めきれるお方に打ち明けねばなりません。神様は人間のどの様な怒りをも受け止めることができます。ダビデがお祈りでしたように、自分の怒りを正直に御前に差し出しましょう。わたしたちがどういう気持ちなのか打ち明けてほしいと神様は思っておられます。それは、神様がわたしたちと個人的な関係を築きたいと望んでおられるからです。そして神様に怒りを打ち明けたあとは、その怒りにしがみつき続けるのではなく、手放しましょう。神様はわたしたちの怒りを取り除き、心に平和を与えてくださいます。

4. 賛美
 「わたしは御力をたたえて歌をささげ 朝には、あなたの慈しみを喜び歌います。あなたはわたしの砦の塔、苦難の日の逃れ場。わたしの力と頼む神よ あなたにほめ歌をうたいます。神はわたしの砦の塔。慈しみ深いわたしの神よ。」(詩編59:17,18)あれほど怒っていたダビデですが、怒りを神様に打ち明け、手放したあとは神様を賛美しています。彼の心に平和がおとずれたのです。

5. その経験を通して何を学んだか考え、成長する。
 神様はわたしたちに常に成長してほしいと望んでおられます。自分の人生を神様に捧げると決心した後は、成長し続けるべきなのです。ダビデは自分を殺そうと追ってくるサウルに対する怒りを、神様に打ち明けて手放すことができました。洞窟にてダビデはサウルを殺すこともできましたが、サウルが主が油を注がれた方であるからと言って、手をかけませんでした。そしてサウルの上着の端を切り取りました。「しかしダビデは、サウルの上着の端を切ったことを後悔し」(サムエル記上24:6)ます。なぜなら、それは主が油を注がれた人の上着だったからです。ここにダビデの成長が見られます。あれほどサウルに対して怒っていたダビデですが、サウルを殺そうと思えば殺せたのにそうせず、上着を切り取ったことすら後に後悔しました。

 この詩編59編からわたしたちが学べることは、神様がわたしたちの怒りを受け止めることのできる大きなお方であり、祈りを通して怒りを御前にそのまま持っていく大切さ、怒りのような醜い感情であっても、神様はわたしたちから伝えてほしいと思っておられること、そして神様には私たちの醜い感情を取り除き、平安を与える力があるということです。神様に全てを委ね、成長していきましょう。

著者:森 春香
編集者:品末拓真


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