2012年3月28日水曜日

ダニエル書2章-前半


ダニエル書2章-前半

この記事を読む前か後に必ずダニエル書二章を読んでください。
ダニエル書1章は、ダニエルたちがネブカデネザル王の与えた食べ物の変わりに、野菜と水を求めた話でした。ダニエルたちは命がけで真実のために立ち上がったのです。その結果、神様はダニエルたちに知識と健康を与えました。2章は、3年間の王様に仕えるための訓練期間が終わり、ダニエルたちがネブカデネザル王の下で働いていた頃の話です。

ネブカデネザル王は、ある夢を見て思い悩み、困ってしまいました。

 そこで王は命じて王のためにその夢を解かせようと、博士、法術士、魔術士、カルデヤびとを召させたので、彼らはきて王の前に立った。王は彼らにむかって、「わたしは夢を見たが、その夢を知ろうと心に思い悩んでいる」と言ったので、カルデヤびとらはアラム語で王に言った、「王よ、とこしえに生きながらえられますように。どうぞしもべらにその夢をお話しください。わたしたちはその解き明 かしを申しあげましょう」。王は答えてカルデヤびとに言った、「わたしの言うことは必ず行う。あなたがたがもしその夢と、その解き明かしを、わたしに示さないならば、あなたがたの身は切り裂かれ、あなたがたの家は滅ぼされる。しかし、その夢とその解き明かしとを示すならば、贈り物と報酬と大いなる栄誉とを、わたしから受けるだろう。それゆえその夢とその解き明かしとを、わたしに示しなさい」。彼らは再び答えて言った、「王よ、しもべらにその夢をお話しください。そうすればわたしたちはその解き明かしを示しましょう」。王は答えて言った、「あなたがたはわたしが言ったことは、必ず行うことを承知しているので、時を延ばそうとしているのを、わたしは確かに知っている。もしその夢をわたしに示さないならば、あなたがたの受ける刑罰はただ一つあるのみだ。あなたがたは一致して、偽りと、欺きの言葉をわたしの前に述べて、時の変るのを待とうとしているのだ。まずその夢をわたしに示しなさい。そうすれば、わたしはあなたがたがその解き明かしをも、示しうることを知るだろう」。カルデヤびとらは王の前に答えて言った、「世の中には王のその要求に応じうる者はひとりもありません。どんな大いなる力ある王でも、このような事を、博士、法術士、カルデヤびとに尋ねた者はありませんでした。王の尋ねられる事はむずかしい事であって、肉なる者と共におられない神々を除いては、王の前にこれを示しうる者はないでしょう」。ダニエル書2章2-11

たかが夢に何でそんなまじめに悩む必要があるのだろうか、と思っている方がいるかもしれません。しかしこの時代では、夢は神々から与えられるメッセージだと思われていました。あらゆる神々が夢を通して人間に話かけてくると多くの人が信じていたのです。ですから、ネブカデネザル王が夢のことで思い悩むのも当然のことでした。

 これによって王は怒り、かつ大いに憤り、バビロンの知者をすべて滅ぼせと命じた。この命令が発せられたので、知者らは殺されることになった。またダニエルとその同僚をも殺そうと求めた。2章12,13節

王は呼び寄せた知者たちが何の役にも立たないことを知ると、バビロンの知者すべてを殺すようにと命令しました。あなたがダニエルの立場だったらこれを聞いてどう思いますか?いきなり、誰かがあなたを殺しに訪れたらどうしますか?普通だったらびっくりして、あたふたしてしまうでしょう。しかし、ダニエルは冷静に思慮深くそのことを聞きました。危機や災難が訪れてから心の準備をしても間に合いません。僕たちは常に心の準備をしておく必要があるのです。ダニエル書1章で見たように、ダニエルたちは真実のために立ち上がることを常に心に決めていました。日々のお祈りと聖書勉強から学んだ事を実行していたのです。心が神様とつながっていたから、ダニエルは冷静に思慮深く考える事が出来ました。

 それからダニエルは家に帰り、同僚のハナニヤ、ミシャエルおよびアザリヤにこの事を告げ知らせ、共にこの秘密について天の神のあわれみを請い、ダニエルとその同僚とが、他のバビロンの知者と共に滅ぼされることのないように求めた。2章17,18節

ダニエルは、一人で全てを解決しようとはしませんでした。彼はネブカデネザル王の夢を解決しなければバビロンの知者たちがみな殺されると知った後、3人の友達に助けを求めたのです。新約聖書のマタイ18章19,20節にこう書いてあります。「また、よく言っておく。もしあなたがたのうちのふたりが、どんな願い事についても地上で心を合わせるなら、天にいますわたしの父はそれをかなえて下さるであろう。ふたりまたは三人が、わたしの名によって集まっている所には、わたしもその中にいるのである。」この地上で試練や災難を乗り越えることは一人では不可能です。僕たちはみな仲間が必要なのです。仲間みたいな人や仲間っぽい人ではなく、本当の仲間が必要なのです。本当の仲間とは、正直に、まじめに、楽しく、いつも共に神様を求め、助け合いながら、真実を貫き通せる友のことです。ダニエルは本当の仲間と共に祈り、神様に助けを求めました。

 ついに夜の幻のうちにこの秘密がダニエルに示されたので、ダニエルは天の神をほめたたえた。2章19節
 
神様は夢とその解説をダニエルに示されたのです。2章20節から23節に書かれているダニエルが神様をほめたたえる言葉はすごく感動的です。さらに、この聖句はただダニエルが神様をほめたたえているだけではなく、実はもっと深い意味があるのです。このダニエルの賛美にはダニエル書1-12章全体の大まかなテーマの予告がされています。ですから、ゆっくり考えながら読んでみてください。

 ダニエルは言った、「神のみ名は永遠より永遠に至るまでほむべきかな、知恵と権能とは神のものである。神は時と季節とを変じ、王を廃し、王を立て、知者に知恵を与え、賢者に知識を授けられる。神は深妙、秘密の事をあらわし、暗黒にあるものを知り、光をご自身のうちに宿す。わが先祖たちの神よ、あなたはわたしに知恵と力とを賜い、今われわれがあなたに請い求めたところのものをわたしに示し、王の求めたことをわれわれに示されたので、わたしはあなたに感謝し、あなたをさんびします」。 2章20-23節

さて、ダニエルたちはお祈りを通して神様から夢の内容と解説をもらった後ネブカデネザル王のもとへ行きました。

 王は答えて、ベルテシャザルという名のダニエルに言った、「あなたはわたしが見た夢と、その解き明かしとをわたしに知らせることができるのか」。ダニエルは王に答えて言った、「王が求められる秘密は、知者、法術士、博士、占い師など、これを王に示すことはできません。しかし秘密をあらわすひとりの神が天におられます。彼は後の日に起るべき事を、ネブカデネザル王に知らされたのです。あなたの夢と、あなたが床にあって見た脳中の幻はこれです。王よ、あなたが床におられたとき、この後どんな事があろうかと、思いまわされたが、秘密をあらわされるかたが、将来どんな事が起るかを、あなたに知らされたのです。この秘密をわたしにあらわされたのは、すべての生ける者にまさって、わたしに知恵があるためではなく、ただその解き明かしを、王にお知らせすることによって、あなたが心に思われたことを、お知りになるためです。ダニエル書2章26-30節
 
ダニエルはネブカデネザル王に夢を解き明かせるのか、と問われたときはっきりとこう答えました。王様、あなたが見た夢の内容を当て、それを解説するのは人間の力では不可能です、と。現に、頭のいいはずの知者、法術士、博士、占い師などは何もすることが出来ませんでした。しかし、この人間的に不可能な事を可能にする天の神様がいます。そしてその天の神様が、ダニエルにネブカデネザル王の夢の内容と解説を与えてくださいました。夢が解き明かされたのは、ダニエルの知識、タレントや才能によってではなく、ダニエルたちが天の神様に心から助けを求めたからなのです。すべては神様の栄光のためです。もし、あなたがダニエルのように真実を貫き通し、人生の試練を乗り越えたいのなら本当の仲間を見つけてください。本当の仲間は助け合い、励ましあい、真実を守り、神様を一緒に求めることができる友です。人生の試練、苦難を乗り越えたいのならば、ダニエルのように本当の仲間たちと共に、今日から神様を求める必要があります。

次回は、ダニエル書2章の後半について書きます。ネブカデネザル王の夢の内容と解説について説明します。それまで、日々お祈りと聖書勉強をがんばりましょう。

3/28/2012

作者:福田ダニエル
編集者:品末拓真


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