さて、2章の前半である1~30節では、ネブカデネザル王が夢を見てその内容と解説を知者、法術士、博士、占い師たちに解き明かすようにと命令しましたが、誰もできませんでした。いくら頭が良くても、誰も他人の見た夢の内容と解説を言い当てることなどできません。しかし、ネブカデネザル王は彼らが夢を解き明かせない事に怒り、罰としてバビロンに居るすべての知者たちを殺すようにと命じました。そこで、ダニエルたちはお祈りをして、天の神様に助けを求めたのでした。ダニエルが仲間と一緒にお祈りをした結果、神様は夢の内容と解説をダニエルに教えてくださいました。
ネブカデネザル王が見た夢は、この世界の歴史に起こることを正確に予言したものでした。神様はそのような大変重要な夢をネブカデネザル王に与えられたのでした。なぜ神様はユダヤ人でもない、クリスチャンでもない王様にそのような夢を見させたのでしょうか?ここに重要なポイントがあります。それは神様が、クリスチャンであろうとなかろうと、全ての人に真実を与えたいということです。もしネブカデネザル王のように頂いた真実を真剣に考えて探ったら、神様はそれを解き明かしてくださいます。ダニエル書1,2章では、まだネブカデネザル王は神様を心から受け入れてはいません。しかし、4章ではネブカデネザル王は神様を完全に受け入れ、唯一の天の神様として認め、神様に正直に従う人に変えられています。
夢の内容
これを読みながら、ぜひ自分の頭の中でこの夢を想像してみてください。
“王よ、あなたは一つの大いなる像が、あなたの前に立っているのを見られました。その像は大きく、非常に光り輝いて、恐ろしい外観をもっていました。その像の頭は純金、胸と両腕とは銀、腹と、ももとは青銅、すねは鉄、足の一部は鉄、一部は粘土です。あなたが見ておられたとき、一つの石が人手によらずに切り出されて、その像の鉄と粘土との足を撃ち、これを砕きました。こうして鉄と、粘土と、青銅と、銀と、金とはみな共に砕けて、夏の打ち場のもみがらのようになり、風に吹き払われて、あとかたもなくなりました。ところがその像を撃った石は、大きな山となって全地に満ちました。”
ダニエル書2章31-35節
びっくりですよね。誰かが前の晩に見た夢の内容を正確に言い当てるなんて人間には不可能です。しかし、神様はダニエルにネブカデネザル王の夢の内容だけではなく、夢の意味も解き明かしてくださったのです。
「頭は純金」とはどういう意味でしょうか?
“これがその夢です。今わたしたちはその解き明かしを、王の前に申しあげましょう。王よ、あなたは諸王の王であって、天の神はあなたに国と力と勢いと栄えとを賜い、また人の子ら、野の獣、空の鳥はどこにいるものでも、皆これをあなたの手に与えて、ことごとく治めさせられました。あなたはあの金の頭です。”
ダニエル書2章37-38節
この夢の中で、金の頭はネブカデネザル王、あるいはバビロンの事を象徴しています。
さて、金の次は銀の胸と両腕です。
“あなたの後にあなたに劣る一つの国が起ります。また第三に青銅の国が起って、全世界を治めるようになります。”
ダニエル書2章39節
銀とはいったいどの国を象徴しているのでしょうか?それはバビロンの次に来る王国、メデアとペルシャです。
“ペレスは、あなたの国が分かたれて、メデアとペルシャの人々に与えられることをいうのです」。”
ダニエル書5章28節
メデアとペルシャ王国の次にくるのは、青銅の腹とももで表されているギリシャです。
“あなたが見た、あの二つの角のある雄羊は、メデアとペルシャの王です。また、かの雄やぎはギリシヤの王です、その目の間の大きな角は、その第一の王です。”
ダニエル書8章20,21節
要するに、聖書にはバビロン王国の次はメデアとペルシャ王国、その次はギリシャ王国が来ると書かれているのです。すごいと思いませんか?ダニエル書は、紀元前600年あたりに書かれたものです。紀元前600年に書かれた本が、遥か未来に栄える王国を予告していたのです。
さて、歴史的に考えるとギリシャの次はどの王国が栄えましたか?
“第四の国は鉄のように強いでしょう。鉄はよくすべての物をこわし砕くからです。鉄がこれらをことごとく打ち砕くように、その国はこわし砕くでしょう。”
ダニエル書2章40節
ギリシャの次に来る鉄のように強い国とは一体どの国のことを言っているのでしょうか?歴史の本やインターネットで調べれば、ギリシャの次に来るのはローマ王国です。メデアとペルシャ、ギリシャは聖書にはっきり書いてあるのに、なぜローマとは聖書に書いてないのでしょうか?書いてない理由は二つあります。一つ目の理由は、ダニエル書が書かれた時には、まだローマと言う王国が存在していなかったということです。二つ目の理由は、暗黒時代や終わりの時に、法王権から聖書を守るためです。このことについてはダニエル書7章のときにもっと詳しく説明します。
539BC-331BC メデアとペルシャ
331BC-168BC ギリシャ
168BC-476AD ローマ
では、ローマの次に何が来ましたか?
“あなたはその足と足の指を見られましたが、その一部は陶器師の粘土、一部は鉄であったので、それは分裂した国をさします。しかしあなたが鉄と粘土との混じったのを見られたように、その国には鉄の強さがあるでしょう。その足の指の一部は鉄、一部は粘土であったように、その国は一部は強く、一部はもろいでしょう。あなたが鉄と粘土との混じったのを見られたように、それらは婚姻によって、互に混ざるでしょう。しかし鉄と粘土とは相混じらないように、かれとこれと相合することはありません。”
ダニエル書2章41-43節
ローマのあとは、鉄と粘土のように、混じり合わない国々の時代になります。要するに、この時代のことです。今の世界を見てみれば分かりますが、あらゆる国々が一つになろうとがんばっているのに、現に一つにはなっていません。ばらばらの国々の時代についての詳しい説明は8章と11章の時にします。では、今のこのばらばらの国々の時代の次には何が起こるのでしょうか?今の時代までの歴史の流れを正確に予告してきた紀元前600年頃に書かれた本によりますと、次に来るのは人手によらずに切り出された石です。
“それらの王たちの世に、天の神は一つの国を立てられます。これはいつまでも滅びることがなく、その主権は他の民にわたされず、かえってこれらのもろもろの国を打ち破って滅ぼすでしょう。そしてこの国は立って永遠に至るのです。一つの石が人手によらずに山から切り出され、その石が鉄と、青銅と、粘土と、銀と、金とを打ち砕いたのを、あなたが見られたのはこの事です。大いなる神がこの後に起るべきことを、王に知らされたのです。その夢はまことであって、この解き明かしは確かです」”
ダニエル書2章44,45節
聖書によりますと、神様ご自身が王国を立てられるのです。鉄と粘土の時代、すなわち今の時代の後に神様は永遠の王国を立てられるのです。金、銀、青銅、鉄、鉄と粘土、すべてがこの石によって砕かれ、滅びるのです。
“また、御座から大きな声が叫ぶのを聞いた、「見よ、神の幕屋が人と共にあり、神が人と共に住み、人は神の民となり、神自ら人と共にいまして、人の目から涙を全くぬぐいとって下さる。もはや、死もなく、悲しみも、叫びも、痛みもない。先のものが、すでに過ぎ去ったからである」。すると、御座にいますかたが言われた、「見よ、わたしはすべてのものを新たにする」。また言われた、「書きしるせ。これらの言葉は、信ずべきであり、まことである」。”
ヨハネの黙示録21章3-5節
神の王国では、罪、死、悲しみなどはありません。神の王国は喜びと幸せと愛とで満ち溢れているのです。
人間には未来を予告することなんて不可能です。今までの歴史の流れをすべて正確に予告してきた本、聖書は神様から与えられたものなのです。神様はダニエルを通して、僕たちに近い将来訪れる神様の永遠の王国という希望を伝えようとしているのです。神様はあなたに希望を与えたいのです。その素晴らしき希望のために今日から準備を始めると決心しませんか。イエスキリストを救い主として受け入れ、日々聖書を勉強し、祈り、伝道をして神様の王国を待ち望もうではありませんか。
“そして王はダニエルに答えて言った、「あなたがこの秘密をあらわすことができたのを見ると、まことに、あなたがたの神は神々の神、王たちの主であって、秘密をあらわされるかただ」。”ダニエル書2章47節
次回は、ダニエル書3章について書きます。それまで、共に聖書勉強とお祈りをがんばっていきましょう。
03-28-2012
作者:福田ダニエル
編集者:品末拓真
にほんブログ村に参加しました。
アイコンの応援クリックをお願いします!
0 件のコメント:
コメントを投稿