今回は、ダニエル書の12章ある内の6章目です。1章から6章までは物語が描かれていますが、7章から12章は予言について深く書かれています。ですから、6章が最後の物語の記事になります。7章からは予言について解説していきます。
“ダリヨスは全国を治めるために、その国に百二十人の総督を立てることをよしとし、また彼らの上に三人の総監を立てた。ダニエルはそのひとりであった。これは総督たちをして、この三人の前に、その職務に関する報告をさせて、王に損失の及ぶことのないようにするためであった。ダニエルは彼のうちにあるすぐれた霊のゆえに、他のすべての総監および総督たちにまさっていたので、王は彼を立てて全国を治めさせようとした。”
ダニエル書6章1-3節(新共同訳 6章2-4節)さて、5章の終わりでバビロンがメデアとペルシャ王国に滅ぼされた後の事です。ダニエルは敗北した国の大臣であったにもかかわらず、なんと新しい政府の総督に任命されたのです。普通だったら、負けた国の大臣は殺されてしまいます。しかし、ダニエルは殺されるどころか、敵であったダリヨス王の下で総督となったのです。ダニエルにはそれほどの実力と信頼があったということです。しかし、ダニエルが総督になったことを不満に思った大臣たちが居ました。その大臣たちは何とかしてダニエルを総督の座から引きずり下ろそうと、口実を探しました。しかし、いくら探してもダニエルには何の欠点もありませんでした。
“そこで総監および総督らは、国事についてダニエルを訴えるべき口実を得ようとしたが、訴えるべきなんの口実も、なんのとがをも見いだすことができなかった。それは彼が忠信な人であって、その身になんのあやまちも、とがも見いだされなかったからである。”
陥れるための口実が一つも見つからないなんて、すごいとは思いませんか?普通なら誰にだって恥ずかしい秘密や、汚点はあるものです。ある人は、毎日密かにインターネットでとあるサイトにいっていたり、影で人の悪口を言っていたり、あるいは会社のお金を自分のために使っているかもしれません。多くの人は何らかの恥ずべき秘密を持っています。しかし、ダニエルはそのような恥ずべき、不正の秘密など持っていませんでした。あなたがダニエルの立場にいる事を想像してみてください。あなたにやきもちを焼いている大臣たちが、あなたを陥れるための口実を必死で探し回っています。さて、あなたはその時どう思いますか?何の心配もありませんか?それとも、不安になりますか?真実のために生きるのなら、とことん真実のために生きるべきなのです。人前だけではなく、誰にも見られていない所でも真実を貫くと決心しましょう。
“そこでその人々は言った、「われわれはダニエルの神の律法に関して、彼を訴える口実を得るのでなければ、ついに彼を訴えることはできまい」と。”
ダニエル書6章5節(新共同訳 6章6節)そこで、大臣たちはあることに思い至りました。ダニエルの真っ直ぐで正直な生き方から不正など見つける事はできない。それならば、ダニエルの神様への強い忠誠を逆手にとるしかない。神様の法律に反する法律を国が持てば、必ずダニエルを不法者にできる、と考えたのです。
“こうして総監と総督らは、王のもとに集まってきて、王に言った、「ダリヨス王よ、どうかとこしえに生きながらえられますように。国の総監、長官および総督、参議および知事らは、相はかって、王が一つのおきてを立て、一つの禁令を定められるよう求めることになりました。王よ、それはこうです。すなわち今から三十日の間は、ただあなたにのみ願い事をさせ、もしあなたをおいて、神または人にこれをなす者があれば、すべてその者を、ししの穴に投げ入れるというのです。それで王よ、その禁令を定め、その文書に署名して、メデアとペルシャの変ることのない法律のごとく、これを変えることのできないようにしてください」。そこでダリヨス王は、その禁令の文書に署名した。”
ダニエル書6章6-9節(新共同訳 6章7-10節)さて、30日の間、王様以外に対してお祈りや礼拝をしたら、ししの穴、つまりライオンの穴に投げ込まれると言う法律をダリヨス王は発令したのです。一体ダニエルはどうするのでしょうか?人の法律に背き、神様の法律を守りきるのでしょうか?
続きは次回のお楽しみです。お祈りと聖書研究を共に、楽しみながらがんばりましょう。
作者:福田ダニエル
編集者:品末拓真
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