2012年5月7日月曜日

ダニエル書8章- 前半

 ダニエル書8章前半の記事です。2章と7章の予言は常に、バビロン王国から始まり、神様の王国で終わっていました。しかし8章は違います。8章ではバビロンを飛ばして、メデアとペルシャから始まる三つの王国について説明しています。更に、8章の最も重要なポイントは聖所です。ダニエル書8章を読んでみますと、ほとんどが小さい角と聖所が清められることについての予言です。8章を通して、神様が我々に聖所の事をもっと知ってほしいのです。聖所は、旧約聖書で神様がイスラエルの民をエジプトから救出した後に作るようにと命じたもので、天国にある聖所と同じような作りをしています。聖所については旧約聖書のモーセの五書と新約聖書のヘブル人への手紙を読んでみてください。この記事と次の記事では、聖所の事を大体知っているという前提で解説していきますので、聖所のことをあまり知らない方は「聖所って何?」という記事をダンくんコーナーで読んでください。

われダニエルは先に幻を見たが、後またベルシャザル王の治世の第三年に、一つの幻がわたしに示された。その幻を見たのは、エラム州の首都スサにいた時であって、ウライ川のほとりにおいてであった。”
ダニエル書8章1,2節

「ベルシャザル王の治世の第三年目」は、ダニエル書7章の幻の2年後です。

ダニエル書8章では、雄羊、雄やぎと小さい角という登場人物が出てきます。

あなたが見た、あの二つの角のある雄羊は、メデアとペルシャの王です。また、かの雄やぎはギリシヤの王です、その目の間の大きな角は、その第一の王です。”
ダニエル書8章20,21節

雄羊-ダニエル書8章20節によりますと、雄羊はメデアとペルシャ王国です。
雄やぎ-ダニエル書8章21節によりますと、雄やぎはギリシャ王国です。
小さい角-???この記事の後の方で出てきます。 

わたしが目をあげて見ると、川の岸に一匹の雄羊が立っていた。これに二つの角があって、その角は共に長かったが、一つの角は他の角よりも長かった。その長いのは後に伸びたのである。わたしが見ていると、その雄羊は、西、北、南にむかって突撃したが、これに当ることのできる獣は一匹もなく、またその手から救い出すことのできるものもなかった。これはその心のままにふるまい、みずから高ぶっていた。”
ダニエル書8章3,4節
 
 

 雄羊の二つの角というのはメデアとペルシャの両国が共に支配していたことを表します。7章で見た熊と同じで、片方の角が一方より長いというのは、一つの王国のほうが強かった、つまりペルシャの方がメデアより強かったと言う意味です。西、北、南の三方向へと突撃するのは、7章での熊の口の中の3本の肋骨と同じです(メデアとペルシャが征服した三つの王国、バビロン、エジプト、レディアです)。

わたしがこれを考え、見ていると、一匹の雄やぎが、全地のおもてを飛びわたって西からきたが、その足は土を踏まなかった。このやぎには、目の間に著しい一つの角があった。この者は、さきにわたしが川の岸に立っているのを見た、あの二つの角のある雄羊にむかってきて、激しく怒ってこれに走り寄った。わたしが見ていると、それが雄羊に近寄るや、これにむかって怒りを発し、雄羊を撃って、その二つの角を砕いた。雄羊には、これに当る力がなかったので、やぎは雄羊を地に打ち倒して踏みつけた。また、その雄羊を、やぎの力から救いうる者がなかった。こうして、その雄やぎは、はなはだしく高ぶったが、その盛んになった時、あの大きな角が折れて、その代りに四つの著しい角が生じ、天の四方に向かった。”
ダニエル書8章5-8節

足が土を踏まないで全地を飛びわたると言うのは、ギリシャのアレキサンダー大王のものすごい戦略と素早い征服を意味しています。目の間の「著しい一つの角」とは、8章21節に書いてあるように、アレキサンダー大王の事を意味しています。そして、雄羊が雄やぎに倒されるように、メデアとペルシャはギリシャに倒される、ということが予言されていたのです。更に、雄やぎの著しい角が折れ、四つの角が生えると言うのは、アレキサンダー大王が死に、四人の大将たち(セレウコス、プトレマイオス、カッサンダー、リサメイカス)が彼の後を引きつぐことを予言していたのでした。

“その角の一つから、一つの小さい角が出て、南に向かい、東に向かい、麗しい地に向かって、はなはだしく大きくなり、天の衆群に及ぶまでに大きくなり、星の衆群のうちの数個を地に投げ下して、これを踏みつけ、またみずから高ぶって、その衆群の主に敵し、その常供の燔祭を取り除き、かつその聖所を倒した。そしてその衆群は、罪によって、常供の燔祭と共に、これにわたされた。その角はまた真理を地に投げうち、ほしいままにふるまって、みずから栄えた。”
ダニエル書8章9-12節

ここで面白いパターンを見ることができます。4節で、雄羊(メデアとペルシャ)は「高ぶってい」ました。8節で雄やぎ(ギリシャ)は「はなはだしく高ぶっ」ていました。9節で小さい角は「はなはだしく大きくなり」「高ぶって」いました。後の王国になるにつれ、段々と表現が強くなっています。ですから、メデアとペルシャよりもギリシャの方が、ギリシャよりも小さい角の方が強かったのです。さて、この小さい角の正体は一体何なのでしょうか?そしてそれは、我々にどう影響するのでしょうか?続きは次回のお楽しみです。8章9-12節も次の記事で解説します。
日々お祈りをして、聖書を勉強していきましょう。

作者:福田ダニエル
編集者:品末拓真
05/07/2012

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